基調講演1 - Benjamin F. CRABTREEベンジャミン F. クラブトリー氏(Ph.D.)は、医療人類学者であり、ラットガース大学ロバート・ウッド・ジョンソンメディカルスクール家庭医療・地域保健学科の教授ならびに研究部長。2014年には家庭医療学研究における長年の功績を讃えるカーティス・G・ヘイムズ研究特別功労賞(Curtis G. Hames Research Award)を授与された。 家庭医療学におけるプライマリ・ケア研究者として30年以上の経歴を持ち、時系列分析や対数線形モデルから深層面接、事例研究、質的分析方法に及ぶ幅広いトピックを含む質的および量的研究法に関する200以上の査読論文や書物の執筆活動に尽力。また、アメリカ国立衛生研究所(NIH)から助成を受けている複数の大規模な研究プロジェクトの主任研究員として、複雑性科学に基づく概念的枠組みを用いて、プライマリ・ケア医療の質向上のための組織改革戦略を検証する混合研究を行ってきた。質的研究法分野で広く執筆活動を行っており、ウィリアム・ミラーとの共編書 Doing Qualitative Research (第2版)も含まれる。2013年には、医療分野における混合研究法の使用に焦点を当てたHealth Services Research誌特別号の客員編集長を務めた。 基調講演2 - 抱井 尚子抱井尚子(かかい ひさこ)氏(Ph.D.)は、青山学院大学国際政治経済学部国際コミュニケーション学科の教授である。ヘルス関連のコミュニケーションに文化が与える影響や、ヘルスに関する意思決定において批判的思考が果たす役割について関心をもつ。米国ホノルル市にあるハワイ大学附属がん研究センターの研究員として、質的、量的、および混合研究アプローチを用いた大規模調査の経験を得る。がん患者の補完代替医療の使用、高齢がん患者に対するがん告知の文化比較、統合がん医療、批判的思考態度の形成における文化の影響など、ヘルスおよび教育関連において様々な研究を行い、数々の論文や章を英語および日本語の学術雑誌や書籍に出版している。量的研究、質的研究、混合研究の3つのアプローチを網羅した『コミュニケーション研究法』(京都:ナカニシヤ書店, 2011)を共編著出版している。また、キャシー・シャーマズによるConstructing Grounded Theory (Sage出版) の翻訳も手掛けている(『グラウンデッド・セオリーの構築』, 京都:ナカニシヤ書店, 2008)。現在、日本の看護ジャーナルに混合研究法に関する連載記事を執筆中。混合研究法の学術雑誌Journal of Mixed Methods Researchの常任査読委員。 現在の研究テーマは、混合研究法を用いた都市部における世代間交流開発研究、慢性呼吸不全患者のためのテレナーシング実践開発、地域在住高齢者のための転倒多因子予防プログラム実践開発など。 日本在宅ケア学会理事長、日本老年看護学会理事、聖路加看護学会理事・編集委員長、日本ケアマネジメント学会理事・編集委員、日本地域看護学会編集委員。日本公衆衛生学会認定専門家、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会認定呼吸ケア指導士。 基調講演4 - R. Burke JOHNSONR. バーク ジョンソン氏(Ph.D.)は研究方法論学者で、南アラバマ大学Professional Studies学科教授。心理学、社会学ならびに行政学の修士号を持ち、ジョージア大学REMS (研究、評価、測定、統計)プログラムで博士号を取得。共著または共編書としてEducational Research: Quantitative, Qualitative, and Mixed Approaches(2014年、第5版、Sage出版)、Research Methods, Design, and Analysis(2014年、第12版、Pearson出版)、the Oxford Handbook of Multi and Mixed Methods Research Inquiry(2015年、Oxford大学出版)を初めとする6冊の書物がある 。数々の学術雑誌(Educational Researcher、Journal of Mixed Methods Research、International Journal of Multiple Research Approaches、Quantity and Quality、Journal of Educational Psychology、American Behavioral Scientist、Educational Technology Research and Development、Personality and Individual Differences、Evaluation Review、 Evaluation and Program Planning)で論文発表や分担執筆を行っている。Journal of Mixed Methods Research誌の第一期にはJohn Creswell氏とAbbas Tashakkori氏ら創刊編集長のもとで副編集長を務めた。また、学術雑誌American Behavioral Scientist (http://abs.sagepub.com/content/56/6.toc) と Research in the Schools (http://www.msera.org/rits_131.htm) の特別号に客員編集長として従事した。 基調講演5 - Pat BAZELEY (MMIRA 会長)パット・ベイズリー氏は、地域開発が社会的弱者集団のメンタルヘルス向上のための効果的方略であると論ずるアクションリサーチを基盤とした博士論文で地域心理学博士号取得。その後、地域開発の分野で活動し、フリーランスの研究者として公衆衛生、福祉、教育、法律ならびに地域研究のプロジェクトに従事。1991-1999年には、ウェストシドニー大学マッカーサー校にて教員の研究開発と実務の責任者を務めた。現在ニューサウスウェールズ大学のプラマリ・ケア医療と平等センター(Centre for Primary Health Care and Equity)の特任准教授を務める。2000-2013年には、ニューサウスウェールズの南部高原に位置するボーラルにて研究者のための研修、相談、合宿設運営に努めた。現在、国内外の大学や政府機関、民間組織で、大学教員、大学院生、研究者対象の研修および相談サービスを提供している。特に研究者対象に、量的および質的データの意味を理解する手助けをしたり、コンピュータを使ったデータ管理および分析について指導することを専門分野とする。研究者がリッチなデータを前に単なる記述的分析にとどまらないよう支援することに熱心に取り組む。 ベイズリー氏は、特に混合研究法に関心があり、様々な形式のデータを統合分析するためのツールやテクニック、また、そうすることによる方法論上の意味合いを探究している。現在Journal of Mixed Methods ResearchおよびQualitative Health Research誌の編集委員を務めており、以前Journal of Mixed Methods Researchの副編集長を務めた経験を持つ。質的および混合研究法データ分析についての著書、分担執筆、論文などを発表。予防接種サービスや研究者のキャリア開発・パフォーマンスについての執筆も行っている。 特別講演 - John W. CRESWELL (MMIRA初代会長) ジョン W. クレスウェル氏(Ph.D.)は、ネブラスカ大学リンカーン校教育心理学教授であり、現在同大学の質的及び混合研究法研究所にて共同所長を務める。混合研究法の学術雑誌 Journal of Mixed Methods Researchの創刊には、共同編集長として携わった。また、ミシガン大学家庭医療学科の客員教授として、アメリカ国立衛生研究所(NIH)およびアメリカ国立科学財団のプロジェクトの研究方法論について、保健学・教育学分野の研究者を援助。さらに、退役軍人管理局医療サービス研究分野におけるコンサルタントとしても広く貢献した。2008年には、フルブライト上級研究員として南アフリカへ渡り、5大学で教員対象に教育および保健学の講義を行った。近年では、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の混合研究法ガイドライン作成のための全国分科会の共同リーダーを務めた。 混合研究法、質的方法論、一般的な研究デザインに関する数々の論文、また、12冊の著書を執筆。書物の多くは研究デザインの種類、様々な質的方法論の比較、混合研究法の応用に焦点を置いている。これらの著書は、多言語に翻訳され、世界中で活用されている。 |